なぜ武装錬金が読みたくなるのか。
それにはいろいろな理由があります。
濃いキャラの数々も理由の1つです。
しかし、それ以上に、「万能の魔法」ではない制約された武装錬金の描かれ方と、その制約を知恵で制する戦い方にあると言えますね。
読み終わって、そのことがしみじみ感じられました。
たとえば、圧倒的に負けていたパピヨンは弱点を見切ったことで大逆転。
斗貴子は、あまりにも正確に発動される15センチという短縮単位から先の状況を冷静に計算して切り抜けます。
剛太は、他の武装錬金と敵の武装錬金の発動対象の違いを冷静に考察し、そこから敵のフィールドに自分も入り込む方策を見出します。
そのような弱点を見切る攻略は、キャプテン・ブラボーのシルバースキンにすら及びます。
緻密な戦いを積み上げて生み出された世界観が確立した上で、最終的にカズキが見せたのは、あくまでまっすぐな気持ちをぶつけるような戦いでした。これは、ある種の爽快感があります。しかし、それも緻密な攻略ドラマの積み重ねがあってこその爽快感です。
つまり、こういったことが全てツボにはまって心地よく感じられるというわけですね。